時代を超えて、正確に動き続ける
信頼のシステムを目指して。
全自動貸金庫に求められる〈壊れにくい・長く使える・使いやすい〉を実現するには「本当に必要な機能に絞っていく設計思想が大切」と話す田崎。独りよがりにならず、確かな技術でニーズに応えていく。その先の夢は、革新的な全自動貸金庫システムを生み出すことだ。
田崎 大地
Tazaki Daichi
機構設計職
大学で機械工学を専攻した田崎を魅了したのはITOKIの精緻な自動搬送技術。設計図を読み解き、作動を観察すると、製品に込められた設計思想が見えてくる。さらに品質を高めるために自分ができることは?と常に問い続ける。2016年新卒入社。
Question.01
現在の仕事とミッションを
教えてください
金融機関の全自動貸金庫システムの機構を設計しています。貸金庫は預金通帳や印鑑、不動産関係の書類、宝飾品など大切なものを保管する安全な場所として利用されています。限られたスペースや条件に合わせて〈壊れにくい・長く使える・使いやすい〉貸金庫システムをいかに構築していくかが私のミッションです。
担当する案件は、新規導入もあれば、修理や改修を施す更新も多くあります。更新案件では、40年以上前の貸金庫システムの部品交換や刷新に携わることも。豪華な設計や凝った設計など、その時代ごとの設計思想をたどるのはワクワクする瞬間です。今の技術を投入してコンパクト化を図ったり、代替部品を探して装置を延命させたり。長年活躍してきた装置をリファインしていくことにやりがいを感じています。
貸金庫システムは、機構と電気制御とソフトウェアが三位一体となって動きます。最新技術を投入して複雑・高度化していくことは可能ですが、〈壊れにくい・長く使える・使いやすい〉という要求に応えるには、本当に必要な機能に絞っていく設計思想が大切です。電気制御やソフトウェアの担当者と連携しながら、正確に故障なく動き続ける堅実なシステムづくりを目指しています。

Question.02
この仕事で大切にしていることは何ですか?
一つひとつの案件に、自分が携わったからこそ実現できた工夫や改善を一つでも加えていきたいと考えています。たとえば、組立や現場の施工がしやすい設計を加える、貸金庫を開ける際の指静脈認証装置やインターフォンの位置を動線を考慮して最適化するなど、なにかしら新たな進化を施すことを意識しています。その結果、組立・施工の担当者から「スムーズにできたよ」とフィードバッグをもらえたりするとうれしいですね。
入社して4年ほど自動倉庫システムSAS-Rの新規開発に携わっていたのですが、そこで学んだのは「現物を見てきちんと判断する」大切さ。図面上ではこう動くだろうと想定しても、実際に動かすと思わぬ作動をすることがある。現物・現場を見て細部まで目を配り、誰も気づかなかったような着眼点から装置の改良ができるエンジニアでありたいと思っています。

Question.03
これからのビジョン・夢について教えてください
全自動貸金庫の技術を究めていきたいです。既存システムを、どれだけ便利に、どれだけ組立・施工しやすくするかを追求していきたい。そのために機械保全技能士の勉強を始めました。部品の劣化、不具合ごとの異常音、設備状況の測定データの収集・分析など、モノづくりやメンテナンスに欠かせない知識を学んでいる最中です。
全自動貸金庫システムは、納入して終わりではなく、そこからお客様との数十年におよぶお付き合いが始まります。安心して長く使い続けていただくために、確かな知識と技術を携え、信頼のシステムを追求していきたい。そして、ゆくゆくは開発に戻り、培ってきた技術と発想を活かし、革新的な全自動貸金庫システムを生み出してみたいと考えています。

※所属部署・役職は取材当時のものとなります